1982年 ヨコハマタイヤ ADVAN|2つの高性能タイヤ

1982年発行のヨコハマタイヤADVAN HF雑誌広告。見開き左右にType-DとType-Cのタイヤ断面を対比させた構成。「ADVAN has Two Performance」の大見出しと各モデルのスペック・サイズリストが記載されている。 名車と美学

2本のタイヤの断面が向かい合っています。左が「Type D」、右が「Type C」。それを「ADVAN has Two Performance」という大見出しが束ねる、1982年のヨコハマタイヤ「ADVAN HF」の広告です。

ADVAN HFが二つの方向を持つブランドになったことを告知しています。1978年春に登場したADVAN HFが、モータースポーツ用タイヤの開発で蓄積した技術を、公道向けの高性能ラジアルに落とし込み、1982年にはType DとType Cの二本立てで語られる段階に来ていました。

二つの性能をひとつのブランドで

ADVANは性能の方向を選ばせようとしています。より走りに振ったType Dと、高性能を保ちながら扱いやすさとのバランスも意識したType Cです。高性能タイヤがひとつの理想だけで語れなくなり、乗り手の好みに応じて枝分かれしていく。その変化を「Two Performance」という言葉で見せています。

1970年代末から1980年代初頭にかけて、石油危機のあとも走りへの関心は消えませんでした。むしろ、ターボ、DOHC、ラリー、ワンメイクレース、そして足回りへのこだわりが、別の形で戻ってきます。

製品広告というよりブランド広告

「The Story of ADVAN」という言葉が効いています。これは単なる新製品告知ではなく、ブランドの来歴を語る広告です。1978年に登場したADVAN HFが支持を集め、その先で二つの性能を持つブランドへ育っていった流れを、タイヤの断面を象徴的に使って見せています。中央の巨大なタイヤだけで印象的な世界観を作っています。この潔さが、当時のADVANの強さでした。