燃えるような赤いボディ。その滑らかな曲面には、一匹の犬を連れて走る男の姿が映り込んでいます。三日月のように鋭く切れ上がった「クレッセント・ライン」と、広大な「パナスコープ・ウィンドウ」。広告は車のスペックを羅列するのではなく、この車を手に入れた後の日常を、映り込みという手法で見事に表現していました。
「きわだつハードトップ!」
1970年、日本の路上は色気を持っていました。セダンとは違う、流麗なルーフライン。センターピラーを廃したハードトップの流行を牽引したのが、このコロナでした。
新開発の1700ccエンジン「ホットパワー1700」。高性能なSLグレードは、走りの余裕をそのまま所有者の社会的地位へと重ね合わせました。紺の背広でも、真紅のジャケットでも「きわだつ」。それは、日本人がようやくファッションとして車を選び始めた時代の記録です。

