「日本を、美しく見よう。」
まずその一行で読者を外へ連れ出します。霧に沈む山並みの前に、男女がブルーバードの傍らに立ち、向こうには雲海が広がっています。品川ナンバーのハードトップは、風景の一部として置かれています。訴えているのは、車で出かける体験の豊かさです。
コピーもその方向で明確です。海あり、山あり、平野ありの複雑な地形に、四季折々の変化が加わる日本には、まだ知られていない景色がたくさん隠されている。クルマなら、好きな時に、好きな所へ、好きな人と出かけられる。そうした流れで、「広さと明るさが評判のブルーバードで、美しい自然の中へさっそうと飛び出してみませんか」と誘います。マイカーで国内を走ることが、生活の楽しみとして広く定着していく時代の空気が文章になっています。
栄光のSSSをどう見せたか
右側には「熱血SSS、先進的なメカニズム。」という見出しがあり、ハードトップ1800SSS-E・Sの性能や装備にもきちんと触れています。走りの裏付けを持ちながら、まずは日本を走る気分を売ろうとしています。
SSSはSuper Sports Sedanの系譜を引くスポーティグレードで、ブルーバードの中でも走りを担う看板でした。まず「日本を美しく見る」手段としてブルーバードがある。速さや装備は、その体験を裏打ちするために後から効いてきます。
51年規制の時代
NAPS 51年規制適合車のロゴが入っています。排ガス規制への対応が大きな課題だった時代に、この新型ブルーバードもその条件を満たした一台でした。走りや快適性だけでなく、時代が求める基準の中で登場した新型車だったことがわかります。
ブルーバードは、SSSだけでなく1600・1800・2000まで幅広い展開を持つ中心車種でした。セダンからハードトップまで選択肢の広い大衆車でありながら、SSSによってスポーティさも担っていたところに、この車の大きさがあります。

