1979年 ナショナル 乾電池式大根おろし器|屋上菜園と電池家電の時代

1979年 ナショナルの乾電池式大根おろし器と応用製品の雑誌広告 暮らしの家電

神戸のマンション屋上で、大根を抱えた男性が笑っています。
足元には緑色のプラスチック製機械が置かれています。

「屋上でできた大根、おろして食べてみますか。」

1979年のナショナル乾電池応用製品の広告です。
家庭菜園の風景とともに、乾電池式大根おろし器(BH-902)が紹介されています。

単一乾電池8本を使用し、約130人分の大根をおろせる仕様と記されています。価格は3,980円。当時の小型家電としては決して安価ではありませんが、家事の負担を軽減する実用品でした。

紙面下段には、包丁とき器、ライト付顕微鏡、ごますり器、レコードクリーナーなどが並びます。いずれも乾電池駆動です。電源コードを引く必要がなく、場所を選ばず使えることが共通点でした。

背景にあるのは、松下電器が展開していたマンガン乾電池「ナショナル ネオハイトップ」の普及です。単一形120円の電池が大きく掲げられ、乾電池そのものが生活を支えるエネルギー源として提示されています。

重い大根をおろす、刃を研ぐといった力仕事を、小型モーターが肩代わりする。家庭内での作業を電動化する動きはこの時期に広がりました。乾電池はその入り口でした。

現在、こうした乾電池式小型家電は昭和レトロ家電として再評価されています。モーター構造や外装デザインに魅力を感じる愛好家も少なくありません。電池接点の清掃やモーターの整備など、実働維持に関する情報も共有されています。

「お役にたちます。暮らしのアイデア。」

乾電池ひとつで生活を動かそうとした時代の発想が、そのまま紙面に残っています。