1970年 三菱電機 霧ヶ峰|大吉表で選ぶ家庭用エアコン

1970年 三菱電機 霧ヶ峰 広告デザイン「ひと目でわかるエアコン大吉表」キャラクターときりがみね本体 暮らしの家電

「ひと目でわかるエアコン大吉表」と大書された紙面です。
1970年、三菱電機はルームエアコン「霧ヶ峰」MWD-22RAを、八角形の“おみくじ”形式で紹介しています。

当時、エアコンはまだ一般家庭にとって高額商品でした。本広告では現金正価143,000円、単相100V、6〜11畳用と明記されています。価格と仕様を正面から提示しながらも、「大吉」「中吉」といった親しみやすい形式に落とし込むことで、難解になりがちなスペック説明の心理的障壁を下げています。

紙面中央の八角形「大吉表」には、和室、南向き、お年寄りの部屋といった住環境別の提案が示されています。単なる冷房能力ではなく、暮らしに合わせた選択という発想です。キャラクター「きりがみね君」が占い師に扮する姿からは、堅実な電機メーカーの中にある遊び心も感じられます。

技術面では、小型・軽量化とともに、当時の最先端半導体技術を用いた制御思想が強調されています。一部機種に採用された「ソリッドステート(無接点)」方式は、室内外の温度に応じて理想的な制御を目指す仕組みでした。機械的接点に依存しない電子制御は、信頼性向上の象徴でもあります。

さらに本機は冷房専用にとどまらず、ヒーターパネル作動を含む「オールシーズン」思想が提示されています。エアコンを“夏のぜいたく品”から“四季の調度品”へと再定義する戦略です。

1970年は家電普及が加速する転換期でした。価格を明示し、住環境別に提案し、電子制御技術を打ち出す。霧ヶ峰ブランドは、機能の積み重ねで信頼を築く姿勢をこの時点で確立しています。

家族の健康を守る装置として、多機能化と電子制御へと向かう流れの原点が凝縮されています。