1971年の小松製作所の広告です。
大きく入るコピーは、「ラジェアド市とコマツの出会いは15年前、ロドリゲス28歳の年だった。」。建機の広告では珍しいはじまりです。
舞台はブラジル・サンパウロ市の南1,100kmにあるラジェアド市です。そこではコマツD50ブルドーザーが15年前から石材採取や道路建設に使われてきました。広告によれば、「故障と呼べる故障もなく」、15年目のこの日も現場で働いているといいます。
耐久性を実話でみせる
このD50を15年間運転してきたのが、アデマール・ロドリゲス氏です。28歳で乗り始め、広告当時は43歳。新たに購入されたコマツD60を担当し、D50は16歳の息子に引き継がれたと書かれています。耐久性を語る話でありながら、現場の仕事が親子へ受け渡されていく時間まで見えてきます。
耐久性を、実名、実年齢、実際の使用年数で十分に伝えています。建機の広告なら性能表を並べる手もあったはずです。土を噛んだキャタピラ、使い込まれた車体、現場にいる人の顔。その積み重ねのほうが、よほど説得力があるとわかっていたのでしょう。
ブラジルの現場実績を、そのまま広告に
舞台がブラジルであることにも意味があります。遠い国の現場で、長く使われてきた建機がある。その実話をそのまま広告に持ってきたわけです。カタログの比較ではなく、現場で積み上がった時間を見せる。工業広告として、とてもまっすぐなやり方です。
ブラジルの現場で15年働いてきたD50の事実だけで十分でした。細かな説明を足さなくても、15年という時間が機械の信頼を語っています。

