1979年 キリンレモン|レモンライムの爽快イメージ戦略

1979年 キリンレモン広告:岩場に座り、カットオフのジーンズを履いて微笑む中島はるみと、水滴のついたキリンレモンのボトル。 至福のひととき

1979年のキリンレモンの紙面です。見出しには「レモンライムの青い風。」と記されていました。モデルには当時人気を集めていた中島はるみが起用されました。

コピーは「ジーンズを短く切った。」という一文から始まります。形式にとらわれない軽快さを提示していました。岩場に腰掛け、双眼鏡を傍らに置いた構図は、アウトドア志向や自然回帰の気分を反映していました。1970年代後半に広がったアクティブな余暇の過ごし方と重なります。

画面下部にはガラス瓶が配置され、水滴が付着した描写で冷涼感が強調されていました。ロゴは刷新され、レモンとライムのイラストが明確に配されています。視覚的に味の方向性を伝える設計でした。

味の定義も「レモン」ではなく「レモンライム」とされていました。甘味飲料というより、爽快感を軸に再定義する試みです。当時の炭酸飲料市場では、甘さの強調から清涼感の訴求へと軸が移りつつありました。

1970年代末、日本は安定成長期に入り、消費は量よりも雰囲気や体験価値へと比重が移っていきます。本紙面は、製品スペックよりもイメージを前面に出す構成です。味そのものよりも、飲む場面や気分を提示しています。

ここで示されているのは、炭酸飲料の若返り戦略です。レモンライムという語、アウトドアの情景、軽装のスタイル。それらを組み合わせることで、ブランドイメージを再構築していました。