1972年、キッコーマン醤油(現キッコーマン)が国内展開していたデルモンテブランドのトマトジュースです。モデルには当時25歳のプロゴルファー、ジョン・ミラーが起用されました。スポーツと栄養を結びつける構成でした。
見出しは「新しい朝。飲むサラダ」。野菜を調理せずに摂取できる合理性を端的に表現していました。この「飲むサラダ」という言い回しは、その後も野菜ジュース市場で繰り返し用いられる定番表現となりました。野菜を料理から機能へと再定義する語でもあります。
バンカーショットの瞬間を切り取ったビジュアルは、身体の動きと爽快感を強調していました。本文には「ビタミン、ミネラル豊富なアルカリ性飲料」と記されていました。当時は食品の酸性・アルカリ性という区分が健康イメージの説明に広く用いられていました。
価格は195g缶が50円、420g缶が80円でした。日常的に継続できる水準です。特別な健康食品ではなく、朝食の一部としての定着を意識した設計でした。
デルモンテは米国発のブランドですが、日本ではキッコーマンの流通網を通じて販売されました。輸入ブランドの品質イメージと国内企業の供給体制が組み合わさった形です。
この紙面が示しているのは、野菜摂取の簡略化です。調理を前提としない栄養補給という考え方が、徐々に生活の中に組み込まれていく過程を映しています。後の野菜ジュース市場拡大につながる一例です。

