モノクロームの紙面に、空を刺す枯れ木。土埃の匂いが立ち込める荒野。そこに置かれた1300Gは、決して華やかではありませんでした。品川55ナンバー、むき出しの補助灯、力強く地面を掴むタイヤ。装飾を削ぎ落とし、走ることだけに特化した佇まいは、当時のスバル車が持っていた実用と剛健の象徴でした。
「荒野に映えるGのイニシャル」
1970年、富士重工業が世に放った「スバル1300G」。傑作スバル1000の血統を受け継ぎ、FF(前輪駆動)方式の優位性を日本に知らしめた技術者たちの執念が、この一台に凝縮されています。
最高出力80馬力を発生させる水平対向4気筒エンジン。FF方式がもたらす広い室内と、低重心による圧倒的な直進安定性。最高時速160km/hという数字は、当時の公道では過剰とも言える性能でしたが、それが「技術のスバル」としての誇りでした。
1970年代の国産スポーツカー
- マツダ・サバンナRX-7(1978) ― ロータリーが描いた新しい走り
- トヨタ・セリカ(1971) ― 若者文化を象徴した一台

